ヨガ的食事法 - タイミングや理想的な食事内容は?

by Guest Bloggers 2020年9月11日

ヨガと食事 いつ食べる 太りやすい 

アーサナの練習や瞑想など、ヨガを生活に取り入れ出すと少しずつ素の自分の感覚や感情に敏感になり、食事に対しての考え方が嗜好も変わっていったというのはわりと良く聞く話。


そしてヨガ愛好者の中にはベジタリアンを貫く人やオーガニックな食事法を好む人が多いのも事実。

それは一体何故なのか?また、本当に自分に合った食事はどんなものなのか?

今回はヨガの観点から、そしてヨガとも関連の深いアーユルヴェーダの考え方にも基づいて、食に対する基本的な考え方やレッスン前後の適切な食事についてなどを探っていきます。

身体にとっても心にとっても、自分に本当に合う食事法を見つけていきましょう!

 


目次

 

1.ヨガ的な食事に対する考え方

 


1-1.アーユルヴェーダって何?ヨガとの関係

アーユルヴェーダとはインド古来の伝統医学であり、自然に寄り添って生きる思想から生まれた生命の科学でもあります。人間をひとつの自然物と捉える根本姿勢に基づき、不調の療養法や病気の予防法などが説かれています。

起きてしまった病気を集中的に治療する西洋医学とは違い、アーユルヴェーダは生命をより良く生かし、病気になりにくい身体を作るために未病を改善する、予防医学に近い学問です。


そして同じ基本理念で、精神(=マインド)からアプローチするために生まれたのが、ヨガ。


アーユルヴェーダもヨガも人間がよりナチュラルに、心身を健やかに保ちながら幸福に生きる事を目的とした生きる知恵であり、兄弟のような思想なのです。

 


1-2.サットヴァ、ラジャス、タマス、3つの心の気質を理解する

アーユルヴェーダもヨガも心身のバランスを重視し、より良く生きるためには心、体、周りの環境など、全体としての調和を何よりも重要視します。

 

そして生き物も植物も、自然物は全てヴァータ(風)、ピッタ(熱)、カファ(水)の3つのエネルギー要素を持っていて、これらのバランスが心の気質にも影響すると考えられています。つまり私達が口にする食材ひとつひとつも、それらのエネルギー要素を含んでいるということです。

 

心の気質にはサットヴァ(純質)、ラジャス(激質)、タマス(闇質)の3つの要素があるとされ、ヴァータ(風)、ピッタ(熱)、カファ(水)のエネルギーのバランスが取れた状態が最も理想的であるサットヴァ(純質)であり、明るく穏やかに安定した精神状態です。例えばヴァータ、ピッタのエネルギーが乱れるとラジャス(激質)と呼ばれる怒りが増大しやすい状態に偏り、カファが乱れるとタマス(闇質)と呼ばれる怠惰に陥りやすい状態に傾いてしまいます。

 

少し難しく感じる話でもありますが、つまりサットヴァな状態に近づけるように心身を整える事が、食生活においても食材の選び方や調理方法、食べ方などの指針になるのです。

 

 

1-3.アヒムサー(非暴力)から生まれるベジタリアン思想

ヨガポーズ

聖者パタンジャリによって編纂されたヨガ哲学の聖典「ヨガ・スートラ」には、ヨガの八支則(はっしそく)と呼ばれる8段階に及ぶ行法が説かれています。
八支則はヨガの基本的な教えであり、その第1段階で生きる上でやるべき5つのこと(=勧戒)が、第2段階やってはいけない5つのこと(=禁戒)が、定められています。

やってはいけないこと(=禁戒)の1つにアヒムサー(非暴力・不殺生)という項目があり、これは行動、言葉、思考の面においてまでも、相手の苦痛を引き起こす行いをしないということです。これを尊守しようとすると、獣を殺生して食するという肉食行動は断つべきであるのも頷けますね。

ただし、ヨガの教えでは必ずしも肉食を厳禁しているわけではありません。アイアンガーヨガの創始者であり、全世界に数百万人を超える生徒や信者がいるB・K・S・アイアンガー師による著書『ハタヨガの真髄』でも、


”菜食主義者であれば非暴力でありヨギであるというわけではない。なぜなら、菜食主義の食事を摂ることがヨガの実践に不可欠なわけではないからだ。(中略)暴力、非暴力とは心の状態であって、食事の事ではないのである。”

 

と述べられています。

生きるための肉食を無理に止めなければならないわけではありません。
ただ、ヨガの道を深めることによって、生き物すべてが自分の命と密接に繋がっている事を知り、感謝と愛情を持てるようになるにつれて、自ずと肉食行動を必要としなくなっていくのは自然な変化かもしれませんね。

そして、どんな食事であっても感謝の気持ちを忘れずに頂く事は、どんな人でも実践できる大切なヨガの基本姿勢です。

 


1-4.食事から何を得ているのだろう

ヨガでは、食事から単純なカロリーとしての栄養素だけではなく、呼吸から得るのと同じようにプラーナ(=生命エネルギー)も取り込むものと考えます。物質次元を超えた高いレベルでの心身の健康を目指すためにはプラーナに満ちた食事を摂る必要があるのです。日本の伝統食にならい穀物中心の自然食を重んじ、自然界との調和を謀る事で健康を目指すマクロビオティックの考え方とも通づる部分がありますね。

 

加工食品や手軽なファーストフードなどは食材の持つ本来のプラーナエネルギーが損なわれてしまっていて、カロリーは摂取出来ても本当に必要な栄養素は摂れません。忙しい現代人にありがちな、インスタント食品や外食にサプリメントなどで不足した栄養素を補うという方法も、ヨガの考え方を基にすると健康的とは言えないのです。

 

では、プラーナに満ちた食事とはどんなものなのか?

次の項目で、詳しく見ていきましょう。

 

2.理想的な食事とは

 


2-1.新鮮な物を頂く

新鮮な野菜や果物などは、大地からのプラーナ(生命エネルギー)に満ちています。私達が収穫したての野菜や果実がとても美味しく感じるのは、プラーナをたっぷり取り込んで身体が喜ぶからかもしれません。

また、野菜や果物だけでなく料理も解凍したものや作ってから時間が経過したものではなく、作り立ての状態で頂くのが良いとされています。穀物であれば、炊きたてのご飯など。

 

プラーナに富む新鮮な野菜や果物、炊きたての穀物、ナッツ類、牛乳やギー(南アジアで主によく使われるバターオイルの一種)などはサットヴァな食べ物であると考えられていて、身体のバランスを整え、サットヴァな状態に近づけてくれます。


2-2.旬の物を美味しく頂く

ヨガでもアーユルヴェーダでも、自然は全てを包括し調和していると考えます。なので、自然のままにその時期に採れる旬の食材は純粋性が高く、サットヴァな食材であると言えるのです。事実、ハウス栽培などの作物よりも旬の作物の方が美味しく、栄養価も高いです。


理想を言えば、作物であれば無農薬や低農薬で作られたものを、新鮮な状態で生のまま、もしくは食べる直前に素材の良さをそのままに調理されたものを頂くことですが、毎日そういった食生活を続けるのはなかなか難しいですよね。


ですが、例えば普段通りにスーパーで食材を購入するにしても、なるべくその時期その時期の旬のものを選び素材の良さを生かしながら丁寧に調理して頂く事は、プラーナを取り込み心身をサットヴァな状態に近づけてくれるだけでなく、自分自身が自然界の一部であるという自覚にも繋がります。


ほんの少しの心がけで、取り込めるプラーナの量は大きく変わります!

お買い物するときは、季節を感じながら食材選びをしてみてくださいね。



2-3.心の通ったものを頂く

心の通ったものにもプラーナ(=生命エネルギー)は宿ります。例えば工場で無機質に大量生産されたスナック菓子よりも、心のこもった手作りのお菓子の方がプラーナに満ちているということです。

母親の料理を美味しく感じたり大人になっても懐かしく思ったりするのは慣れだけではなく、それがプラーナに満ちているからかもしれません。

 

仮に菜食主義者であったとしても、お肉を使ったお料理で温かくもてなされたときは素直に感謝して頂くほうが、プラスの感情の連鎖を生むのではないかと個人的には思います。

 

目に見える物質の次元だけではなくそこにある心を大切にすることも、ヨガの姿勢には欠かせないのではないでしょうか。


2-4.食べ過ぎないこと

八支則(はっしそく)の中にはアヒムサー(非暴力・不殺生)の他に不貪を意味するアパリグラハ(欲のままに貪らない)や、知足を意味するサントーシャ(足りている事を感じる、満足する)などがあります。


これらのヨガの基本理念を元にすると、食べるという行為そのものに対して「食べ過ぎない」という姿勢を持つことが大切であると分かります。

欲のままに満腹になるまで食べるのではなく、空腹が満たされる感覚を丁寧に感じ取り、腹八分目くらいで満足出来れば理想的です。


また、アーユルヴェーダの見解でも食べ過ぎは消化力(火=アグニ)を弱め、消化不良によって未消化物(アーマ)を身体に蓄積させる原因になります。そして未消化物(アーマ)は生命エネルギーのバランスを乱し、様々な病気の原因になると考えられているのです。


心身の健康のためには、食事の内容だけではなく自分に合った食事の量を見極める事も必要だということですね。

 

3.ヨガのレッスン前後の適切な食事

ヨガ 前後の食事

 


3-1.レッスン前の食事

 

さて、ヨガのレッスン前後、特にレッスン前の食事は、時間帯と内容に注意点があります。詳しく見ていきましょう。

 

・レッスン前の食事 時間帯

ヨガのレッスンに通っている方は「食事はレッスンの2時間前までには済ませて来てください」というような事をインストラクターから言われたことがあるかもしれません。

実は、ヨガのアーサナ(ポーズ)のプラクティスは空腹の状態の方が望ましいのです。お腹の中で食べたものを消化している間は身体の機能が消化活動に集中しているので、あまり運動には向きません。また、ヨガのアーサナにはツイスト系や前屈系など内臓に物理的刺激を与えるようなものも多いため、負担をかけないようにできれば空腹で行う方が良いでしょう。

 

ただし、あまりにも空腹感が強く出る場合はレッスンに集中出来ないので、2時間前までを目安に食事を摂るようにします。

 

・レッスン前の食事 内容

そして食事の内容は、脂っこいものや重いものは避けて、消化が良いヘルシーなものを選ぶようにしましょう。

 

炭水化物はすぐにエネルギー源に変わる効率的な栄養素なので、ヨガ前の食事としては適しています。例えばご飯にお味噌汁や白湯、といった炭水化物に温かい飲み物の組み合わせは、消化に良い上に身体を温めてくれます。

暑い季節は新鮮なフルーツなども好ましいでしょう。

 

いずれにせよ、ヨガ前に食事を摂るか摂らないか、何を食べるかはその日の身体の状態を丁寧に感じ取り、観察して決める必要がありそうですね。


3-2.レッスン後の食事

ヨガのレッスン後2時間ほどは身体の内臓機能が活性化し吸収力が高まっているので、ダイエット中の方にとっては魔の刻であり、逆に言うと摂りたい栄養を効率的に摂れる黄金タイムでもあります。

 

この時間帯に脂っこいジャンクフードや急激に血糖値を上げるような甘いお菓子を摂るのはできれば避けたいところ。

 

まずは白湯やお茶、もし空腹感があれば牛乳やチャイ等で水分補給をして、一息つくのが良いでしょう。

 

体調にもよりますが、空腹の状態でレッスンを始めても、不思議な事にレッスン後しばらくは食欲を感じないことが多いものです。そしてたとえレッスン後が昼食や夕食の時間帯であったとしても、空腹感を感じていないのであれば食べるべからずです。

 

アーユルヴェーダでも消化力(アグニ)が高まっている状態=空腹感のある状態になるまで食事は摂らない方がいいと考えられていますし、何よりも自分の身体の声を聞く方が自然ですよね。

 

空腹を感じてきたらいざ食事、となるわけですが、レッスン後は適度に使った筋肉が修復に向かう時間帯なので、食事ではタンパク質もしっかり摂ると効率的に筋肉を作ることができます。

 

ヨガの愛好者にはベジタリアンが多いですが、新鮮は牛乳やギーはサットヴァな食べ物としてヨガ愛好者も好んで取り入れる傾向がありますし、乳製品は吸収が早くアミノ酸バランスに優れていますので適量を取り入れてみるのも良いでしょう。(家畜から搾乳させてもらい乳製品を得る事は、感謝すべき事ではあってもアヒムサーではない、という認識が主流なようです。)

 

もちろん、食べたいものがあるときは自由に選んでいいと思います。

 

いずれにせよヨガ後の食事は自分の食べたいものを腹八分で、美味しく頂くのが心の栄養という意味でも良さそうですね★

 

ここでちょっと、私よがくらげがレッスン後によく食べる食事内容をご紹介します★

 

○アボカド納豆丼

さいの目切りにしたアボカドを納豆に混ぜて、ネギや紫蘇、パクチーなど好きな薬味、そして季節のお野菜を食べ易く切った物をご飯にかけていただきます。

雑穀米や玄米にするとより食感も楽しくなります!

植物性のタンパク質と良質な油分、糖質が取れる上、季節のお野菜を加えることでサットヴァに整えてくれる絶品ご飯。

是非お試しください!

 

○フムスのラップサンド

ひよこ豆、タヒーニ、ニンニク、オリーブオイル、レモンをペーストしてつくるフムスをトルティーヤに塗り、新鮮なお野菜とササミやエビ、チーズなどお好きな物を並べ、巻きます。

フムスは食物繊維を始めミネラル、ビタミンも豊富で血中コレステロールを下げる効果もあるといわれているなど、それ単体でも満足感の高い食べ物です。

アイディア次第で色々なラップサンドに利用してみてくださいね。


 

 

4.おわりに

いかがでしたか?ヨガ愛好者に菜食主義者が多い理由や、ヨガ的な食に対する考え方など、自分の食生活と照らし合わせてみると発見もあるのではないでしょうか。

自分の身体は食べた物で出来ています。

何がいい、悪い、というのではなく、食生活について一度じっくり見直してみるのは、自分の在り方を根本的に考えてみる良い機会かもしれませんよ。

 

 

プロフィール

Guest Blogger:よがくらげ 雅子
ヨガインストラクター 、三児の母

長年ヨガを続ける母の影響で学生時代に軽い気持ちでヨガを始める。
身体のために細々と続けていたが、続けるごとに精神的にもヨガの大きな効果を感じ、より深くヨガを学び伝えるべくインストラクターとしての活動を開始。

スタジオやフィットネスクラブ、サークルなどで幅広いクラスを担当。
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