最近は本当に寒い日が続いていますが、そんな時に体のつまりや、硬さを感じることはありませんか?
リモートワーク継続や同じ姿勢から起こる凝りや疲労、特に冬の寒さによって体が硬くなりやすいという方もいらっしゃると思います。
『体が硬い』とはどういう事でしょうか?
そもそも筋肉は、本来であれば体を動かすことで血流も良くなり、柔軟性を保つことができます。しかし、運動不足などで筋肉が弱り、毛細血管が減り、血液が届かなくなり、筋肉が縮んでしまいます。
よって筋肉が縮み、関節などの可動域を狭め体が硬くなっていきます。
そして冬の寒さは体をより硬くしやすいとされています。体が熱を保とうと筋肉が縮まります。
ですので、寒い季節は暖かい格好をするのはもちろん、体を緩めて、筋肉の柔軟性を向上させてあげることが重要です!
一日中仕事で座っていてジムで1時間運動したり、長時間運動したりするなど、激しい運動をすばやく行うとまたさらに悪化してしまうことも。
ヨガは体を緩めて伸ばすだけでなく、筋力の強化や呼吸などにより意識的に体を使うので良いとされています。そこで、オススメのヨガのポーズを5つ紹介します。ダメな例も解説していますのでよく読んでちゃんと身体を緩めてあげましょう
目次
バラーサナ(子供のポーズ)
クラスの時にもお休みをするためにとる“バラーサナ(子どものポーズ)”。 どんなクラスを受講していても2~3回ほど出てくるのではないでしょうか。
ですが、実はチャイルドポーズをしていても、きちんと休めていない方もいるのでは?
自分にあったやり方で行うとお休みもでき、背中のコリ・腰痛にも効果的で、神経を落ちつかせて体を緩めるサポートをしてくれるポーズでもあります。

やり方
- 正座の姿勢から足の親指同士を合わせてかかとに座り、膝を腰と同じくらい離します。息を吐き、太ももの間に胴体を置きます。
- 両手を前方に伸ばして置き、肩の力を抜いていきます。 肩の重さで肩甲骨が背中全体に広がる様子を感じてください。
- 30秒から1~3分ほどホールドして呼吸をゆっくり行います。
◎体も心も休まらない「NGチャイルドポーズ」の特徴
もっともポピュラーなチャイルドポーズが、この腕を伸ばしたポーズです。かかとの上にお尻を乗せたら両手を前に伸ばし(肘は軽く緩める)、おでこを床につけ、お腹と太ももを密着させます。
上記でもお伝えしたように、“チャイルドポーズ”はお休みのポーズ。一見簡単そうなポーズですが、体が緊張状態のままという方の姿もよく見かけます。
チャイルドポーズをとるときは、3つの項目に気を付けて。
- (1)かかととお尻が離れている
お尻が浮いている状態では、臀部・下肢が休まりません。お尻は、しっかりとかかとの上に乗せましょう。 - (2)腕がまっすぐ伸びている
チャイルドポーズをとるときは、肘を軽く緩めてあげると肩甲骨や肩、腕の力が抜けてリラックスできます。 - (3)お腹と太ももが離れている
お腹と太ももが離れていると、腹部に力みが生じます。しっかりと密着させて、上体を預けましょう。
上記のNG3つを改善しても緊張が解けない場合は以下のやり方もあります。
◎手を重ねたチャイルドポーズ
重ねた手の上に額を乗せるチャイルドポーズ。腹部の圧迫感が気になる方や、おでこが床につかない方はこちらをチョイスしましょう。

◎腕を体側に沿わせたチャイルドポーズ
おでこを床につけたまま、両腕を体側に沿わせたチャイルドポーズ。腕を前に伸ばすと、「肩に力が入ってしまう」、「肩の力が抜けない」という方にオススメです。

キャット&カウ
ヨガやピラティスクラスなどでもウォーミングアップとしてよく出てきます。
ヨガやピラティスのポーズは、「腰を丸めない&反らないようにする」というポーズがほとんどなのですが、このポーズは思いっきり腰を丸めたり反らしたりします。 腰を反らないようにするには体幹の筋肉、特にお腹のインナーマッスルもつかうので筋力強化にも適しています。
2つのポーズの間の穏やかな流れで、体を温め、脊椎に柔軟性をもたらします。背中と首を伸ばし、腹部の臓器をやさしく刺激してくれ血流の流れもよくなります。


やり方
- 腕は肩幅に、足は腰幅に開いて四つん這いになります。
手の平は肩の真下に、膝は骨盤の真下につきます。手の指は均等に広げましょう。 - ゆっくりと息を吸いながら、胸を天井の方へ引き上げていきます。おへそと胸を引き離していくようなイメージです。視線は天井の方向へ向け、胸は開き、喉も伸ばします。
*ポイント
首や肩をすくめたり腰だけ反ったりしないで、胸をしっかり天井の方へ引き上げるようにしましょう。 - ゆっくりと息を吐きながらおへそを覗きこむようにし、背中を丸めていきます。吐く息とともにおなかをギューっと締めていきます。
- そして1のポーズに戻り、リラックスして呼吸を整えます。
- 長くゆったりとしたペースで呼吸をしながら、8~10セット繰り返します。
ハーフピジョンポーズ(半分の鳩のポーズ)
硬まりやすい腰やお尻、太ももの硬さを緩めてくれます。
臀筋、腸腰筋など股関節の周囲にある細胞組織、さまざまな筋肉や筋肉群に大きなストレッチをもたらしてもくれます。
習慣的に座っていると、これらの筋肉が引き締まる可能性があります。リモート続きで座りっぱなしや脚が浮腫みやすい方にもオススメです。

- 両手を肩の下、膝を腰の下に向けて四つんばいになります。左膝を持って左手首に触れます。
左太ももをマットの側面と平行に保ち、右腰のすぐ前になるまで左足を前に動かし ます。腰の痛みがなければ、左足をマットの前に近づけて、より深いストレッチをしていきます。しかし、無理はせずに自分に合わせましょう。
- 右足をマットの後ろにスライドさせ、両方の腰を床に向かって下げます。
骨盤を下げるときは、腰に緊張が入らないようにします。後ろ足がまっすぐ伸びていることを確認します。
腰の屈筋をより深く伸ばすには、背中の足の上部を床に下げていきます。 - 腕をまっすぐにし、手を腰に沿って2〜4回呼吸し、腰を床に向けて落ち着かせ、下半身の感覚を観察しながらホールドします。
- そして四つんばいに戻り左右行いましょう。

バリエーションとして腕を前に伸ばしたり、バラーサナのように手を重ねる、クッションやブロックを活用して無理なくポーズを行うとより体の硬さが解消されやすくなります。
ウシュトラアーサナ(ラクダのポーズ)
後屈の姿勢をとり、胸を大きく開くラクダのポーズ。日常ではあまりしない動きなので無理なく自分が心地よく呼吸できる範囲で行っていきます。
猫背や反り腰の改善が期待できるラクダのポーズは、デスクワークで前傾姿勢になりがちな人や肩、肩甲骨周りの硬さを緩和してくれる効果があるポーズです。

やり方
- 膝立ちになり、腰幅に膝を開きます。足の甲もしくは爪先で地面を押します。
この時、骨盤の平面が膝の真上にきていて床と垂直に立っているかを確認しましょう。 - 下半身が安定してきたら、内ももを引き締めて、手をお尻と腰の間の仙骨に当て、肩・肘・手が肩幅になるように揃えます。
息を吐きながら、胸を持ち上げてからゆっくりと腰や首から倒れないように後屈をしていきます。 - 息を吐いてお腹を引き締めて、息をすいながら手でお尻を押し胸を空に向けて広げます。余裕があれば手で踵を掴んでみましょう。
手で仙骨を押し胸を開くだけでも効果的です。

ウッティタパールシュヴァコーナーサナ(体の脇を伸ばすポーズ)
普段は伸ばす機会のない、体の側面を伸ばすポーズです。足首・脚や膝・鼠蹊部・背骨・ウエスト・胸・肩のストレッチのほぼ全身のストレッチ効果があります。
腕、背骨、脚が一直線に引きのばされる感覚を心地よく味わいましょう。

やり方
- 両足を1〜1.2mほど開きます。両腕を伸ばし開いて床と平行になるまで上げます。骨盤はまっすぐ正面を向いたまま、右膝を曲げます。
- 上半身を右に倒し、右手は右足の外側について、左手は斜め上へ伸ばします。手を床につけるのが難しい場合、右ひざに右手のひじを置いて緩めます。
- 左のかかとから指先まで体の左側をずっと伸ばしていきます。頭を上に向けて左腕を見ます。右肩は耳から引き離すように。胴体の右側もできる限り長く伸ばしてみましょう。
- 30秒〜1分ホールド。息を吸いながら起き上がります。両かかとを強く床へ押し、左腕を 強く天井へ伸ばして上に向かう動きを軽くします。脚を入れ替えて、左側を同じ長さで繰り 返してみましょう。
○まとめ
寒い季節、仕事や忙しい日々を送っている時だからこそ、自宅でも出来て呼吸に意識を向けるヨガをゆっくり行いましょう。
ただポーズを取るだけでなく、呼吸を意識してあげることで体の硬さは解消されやすくなります。体の柔軟性をUPさせることは日々の生活のパフォーマンス向上にも繋がりますので、是非トライしてみてください。
プロフィール
学生時代のヨガ留学でハワイのカウアイ島にてヨガとアーユルヴェーダを学ぶ。
その時のライフスタイルからインスパアされ、現在もお肉を食べないペスカタリアンな生活を送っている。
スイミングコーチ、グループエクササイズのインストラクターなどを経て現在は都内の大手スポーツクラブやヨガスタジオにて活動しています。
Instagram:@s_hiiori