ヨガを始めるのに最初に覚える5つのヨガポーズ

ヨガを始めるのに最初に覚える5つのヨガポーズ

最近では老若男女多くの人が生活に取り入れているヨガ。

健康のため、ストレス解消のため、目的は人によって色々ですが、心にも身体にも良いと言われているヨガは現代人が抱える多くの問題を解決する可能性を秘めています!

ですがスタジオなどでたくさんの人と一緒にレッスンを受講する場合、特にフィジカルな面に重きを置いたクラスは見よう見まねで進めてしまうと基本的なことがおろそかになりがちな側面もあります。


ヨガのポーズ(アーサナ)は前屈、後屈、側屈、捻り、倒立、など筋力を使う静的なものから呼吸とともに動く動的なものまでさまざまですが、ここでは初心者の方でも行いやすく、かつヨガの様々なアーサナの基礎ともなるポイントを含んだ基本的なアーサナを5つ、注意点を添えてご紹介していきます。

目次

  1. パスチュモッターナ・アーサナ(前屈のポーズ)
  2. キャット&カウ(猫牛のポーズ)
  3. アンジャネーヤアサナ(三日月のポーズ)
  4. パリグハーサナ(閂[かんぬき]のポーズ)
  5. 捻りのアーサナ
  6. ナヴァサナ(船のポーズ)

 

パスチュモッターナ・アーサナ(前屈のポーズ)

前屈のポーズで股関節を屈曲させ、背面を伸ばす。
柔軟と言えばまずは前屈を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。上体を前傾させていくことで股関節の柔軟性、脚の筋肉の柔軟性を高める事ができます。身体が硬い人でも調整しやすいので初心者の方にはとてもオススメです。

色んなポーズの基本姿勢に繋がる重要なポーズでもあります。


充分な柔軟性がある場合は、長座(座って脚を伸ばした状態)から写真のように股関節から深く倒れていきます。

ヨガポーズ 長座 足を伸ばした状態

 

[長座の姿勢(足を伸ばした状態)]
ヨガポーズ 前屈
[股関節から深く倒れます]
 


このアーサナで大切なのは深く倒れる事ではなく背骨を伸ばしたまま前屈する事です。長座前屈のポーズ(パスチモッターナーサナ)は、背中から腿の裏、そして膝裏から踵までの身体の背面を伸ばす事を目的としたポーズですので、猫背になってしまうと肝心な背面が緩んでしまいます。

腰を丸めながら深く倒れるよりも、骨盤は立てて腰は伸ばしたまま股関節から前傾し、お腹→胸→額の順に脚に近づけてみましょう。

目線はすぐに落とさずに前方に向けたまま倒れていくと、頸椎も含めた背骨全体の長さを保ったまま前屈しやすくなります。


どんなアーサナ(ポーズ)にも言える事ですが、やりすぎかどうかの目安は呼吸です。柔らかいゆったりした呼吸がとれる範囲でキープすることが大前提なので、もし呼吸が浅くなる、もしくは止まってしまうということであればそれはやり過ぎのサイン。どこが自分にとって適切な強度なのか、呼吸を観察して感覚を掴んでいきましょう。


もし、脚を伸ばして垂直に座る事自体がきつい場合は膝は少し緩めても構わないので、膝よりもまずは腰、そして背骨全体を伸ばす事を優先し、息を吐きながら無理の無い範囲で行います。

前屈ヨガポーズ 難しい場合

[難しい場合は膝をちょっと緩めてもOK]



そこで余裕があれば背骨を伸ばしたまま踵の位置は変えずに、坐骨(お尻の骨)を一歩ずつ後ろに引いてみましょう。自分にとってちょうど良いポジションが見つかるはずです。必ず常に呼吸をゆったり行いながら進めていきます。

◆前屈のポーズのポイント◆

  • 腰骨を立て背筋を伸ばして行う
  • 呼吸をゆったり行う

キャット&カウ(猫牛のポーズ)

背骨の動きを繊細に感じ取るキャット&カウ(猫牛のポーズ)のポーズ。
美しい姿勢には背骨の感覚が重要です。普段デスクワークが多い方や運動不足の方はとくに、同じ姿勢を長時間続けることが多くなりますよね。それによって猫背やストレートネックといった姿勢の乱れ、筋肉が硬くなる事で肩こりや腰痛に繋がりやすくなります。


キャット&カウは、ゆったりとした呼吸に合わせて背骨を丸めたり反らしたりすることによって背骨の柔軟性を高め、血流を促してくれるシークエンスです。


まずは四つ這いの姿勢から始めましょう。

肩の真下に手首がくるように両手を付いて、手の指は大きく開いて中指同士を平行にしましょう。肘は少し外に向けて、関節を軽く緩めて筋肉に力が入る状態を保っておきます。膝はお尻の真下に付いて、膝から下は自然に後ろへ伸ばし、腕にもたれないように、背骨を引き上げておきましょう。


息を吐きながら掌で床を押して、背骨を丸めていきます。頭を腕の間に入れこむように肩甲骨を広げ、尾骨は下に向けていきましょう。背骨の一番高いところを空に向かって突き上げるようなイメージで、吐く息とともにおへそは背骨に近づけるように引き上げていきます。
キャットカウのポーズ 初心者 ヨガポーズ
[息を吐きながら背中を丸めていきます]


吐き切ったら、吸いながら腰、背中を徐々に反らしていきましょう。おへそを真下に沈めながら、胸を腕の間に押し出すように開き、肩甲骨を背中の真ん中に集めていきます。
キャットカウのポーズ 初心者 ヨガポーズ
[息を吸いながら腰と背中を反らせていく]
このとき、肩から耳を遠ざけるように首を長く伸ばすことがポイント。肩がすくんでしまうと首を痛めやすくなる上に腕に重心が偏り、背骨全体をコントロールしにくくなります。

ですので、必ず肩から耳を遠ざけ、頭頂が天井から引っ張られるような方向性をつけていきましょう。


目線はつらくなければ斜め上、首の後ろがすくむようであれば柔らかく前方を見つめます。

吸い切ったらもう一度吐きながらゆっくりと丸めていく...


これをご自身の呼吸に合わせて数回繰り返します。

キャット&カウは背骨をしなやかに調整する他、呼吸によって陰陽のバランスを取りながら自律神経を整える効果が高いポーズです。

また、背骨一節一節を感じながら呼吸と身体の動きを丁寧にリンクさせることで集中力が高まり、自分の感覚に自然と意識が向き、深いリラックス状態をもたらします。


肩や腰など上半身を重点的にほぐしたいときや、リラックスしたいときにもオススメです。


◆キャット&カウ ポーズのポイント◆
  • 首の後ろの長さを保ちながら行う
  • 呼吸と身体の動きを合わせる

アンジャネーヤアサナ(三日月のポーズ)

アンジャネーヤアサナ(三日月のポーズ)で気持ちも前向きに
後屈系のアーサナはある程度の腹筋と柔軟性が必要であり中級から上級者向けのものが多いですが、胸を開く事で交感神経に働きかけ気持ちを前向きにする効果があるので、身体だけではなくメンタル面のケアとしてもとても有効です。


ここでは初心者の方でも行い易いアンジャネーヤアサナをご紹介しましょう。


四つ這いから片足を一歩前に出し、反対の脚の膝を後ろにスライドさせます。前脚の膝の真下に踵の位置を保ちながら、後脚の鼠蹊部が気持ちよく伸びるところを探しましょう。


位置が決まったら上体を起こし、骨盤をしっかり正面に向けて調整し、腰は反らないように下腹部を引き締めましょう。


土台が安定したら両腕を上げて、肩周りの余分な力を抜いてから親指を後ろへ運び軽く後屈します。肩周りが窮屈に感じる場合は腕を広げても構いません。

三日月のポーズ 初心者向けヨガポーズ
腰を反らせるのではなく、胸を開く意識で気持ちよく後ろへ伸び自然呼吸を繰り返しましょう。脚の踏み込みの深さや、上体の反りの角度は個々の柔軟性によって調整していきます。


後屈系ポーズはやり方を間違うと腰を痛めやすいので、おへそを内側に引き込むようにしっかり腹筋を引き締める事がポイント。くれぐれも無理をせず、ゆったりとした呼吸ができる状態で20~30秒程キープしてみましょう。

このポーズは元気のでない時にも気持ちを前向きにリセットする効果が高いので、心の疲れを感じるときに行ってみると良いでしょう。また、肩関節や股関節などを穏やかに伸ばすことで全身の血流をうながします。

◆三日月のポーズのポイント◆

  • 腰を反らせないように腹筋を引き締めて行う。
  • 骨盤の向きを正面に。
  • 肩は力まないように少し下げて、耳から遠ざけておく。

パリグハーサナ(閂[かんぬき]のポーズ)

パリグハーサナ(閂[かんぬき]のポーズ)で体側を伸ばし、呼吸を感じる
側屈、いわゆる体側を伸ばすアーサナは日常生活ではあまり行わない身体の使い方をするので、浅い角度でも強く感じるかもしれません。その分行った後は充足感と解放感を得る事が出来るでしょう。


パリグハーサナ(閂[かんぬき]のポーズ)は、膝をついている事でバランスを保ちながら体側を伸ばせるので、初心者の方でも行い易いアーサナです。また骨盤の向きを調整しやすく、腸腰筋(骨盤から下腹部にあり、歩行など脚を前に上げる動きにも重要な筋肉)のストレッチにも適しています。


膝立ちの状態から片足を横に伸ばして、足先は横に開きます。蹠が床に付きにくい場合は足先を斜め前に向け、蹠を降ろしましょう。

伸ばした脚の方の骨盤が後ろに引けないように、鼠蹊部を前に押し出すように骨盤を真正面に調整します。


息を吸いながら伸ばした脚と反対の腕を上に伸ばしながら背筋をのばし、吐きながら上体を横に倒しましょう。
かんぬきのポーズ 初心者向けヨガポーズ

骨盤から上体が前かがみにならないよう、胸は軽く空に向かって開く意識をもちながらできれば目線は空に向けて、ゆったり呼吸を繰り返します。肋骨の隙間を無理無く広げた状態で、呼吸するごとに肺が膨らんだりしぼんだり、同時に身体の外側が伸びたり緩んだりする感覚を丁寧に感じとって。

肩周りは頑張りすぎず、緩めたままでキープしましょう。


体側を伸ばす事で血流が良くなり、普段あまり使わない体側の筋肉をしなやかに鍛える事ができます。そして側屈した状態でキープするには腹筋も必要なので、体側だけではなく体幹のコアマッスルも鍛錬され、左右行う事で骨格の調整にもなるので腰痛予防にも効果的◎。


正しく行うためには無理に角度を付けようとせずに、骨盤の向き、上体の向きを保ちつついけるところでゆったりとした呼吸でキープしましょう。

◆閂[かんぬき]のポーズのポイント◆

  • 骨盤の向きを正面に
  • 前屈みにならないように
  • 肩周りは頑張りすぎずに

捻りのアーサナ

ヨガのアーサナには背骨を捻るものがたくさんありますが、深く捻るアーサナほど柔軟性が必要になり、キープして呼吸を深めるためには鍛錬が必要になってきます。


ここでは初心者の方でも行い易い、浅い捻りで肩に力が入りにくい基本の捻りをご紹介しましょう。ゆったりと呼吸を入れる事で副交感神経を刺激し、便秘の解消や腰痛予防にも効果的です。


脚を伸ばした長座の状態から片足の膝を曲げて足裏を反対の脚の外側に置きます。両方の坐骨(お尻の骨)に左右均一に体重を乗せ、下半身を安定させます。立てた膝と反対の腕を曲げ肘を腿の外に引っ掛けるか、きつければ膝ごと軽く抱え込みます。もう片方の手はお尻の後ろに指を立てて付きましょう。


息を吸って坐骨で床を押しながら頭頂を天井に近づけるように背筋を長く伸ばし、吐く息で腹筋を引き締めながら背骨の付け根からツイストしていきましょう。お腹周り、肋骨一節一節を丁寧に捻り、目線も後ろへ。首が辛い方は頸椎はあまり捻らなくても良いので、お腹周りを雑巾を絞るように捻る事を意識していきます。
ひねりのポーズ 初心者向けヨガポーズ

このとき、決して骨盤から捻らないように気をつけましょう。捻りのアーサナでは脊柱を捻る事が目的ですので、背骨の付け根から丁寧にツイストをかけていきます。

吸う息では背骨を上に引き上げるように座高を高く伸ばして、吐く息でその長い背骨を保ちながら腹圧でツイスト…

呼吸を繰り返してポーズを深めていきます。肩周りの余分なりきみは吐く息に乗せて抜いて。

最後の息を吐き切ったら、吸いながらゆっくり正面に戻ります。※反対側も行いましょう。

◆捻りのポーズのポイント◆

  • 吸う息で背筋を伸ばす、吐く息で捻る。
  • 骨盤の向きは保ったまま背骨の付け根から丁寧に捻る。

ナヴァサナ(船のポーズ)

腹筋と背筋を同時に鍛えるナヴァサナ(船のポーズ)
ヨガのポーズには筋力、特にインナーマッスルを効率的に使うことが出来るポーズが多いですが、それゆえに単純な筋トレよりも力の入れどころを丁寧に探る必要があります。
ナヴァサナはその中でも比較的分かりやすいポーズなので初心者の方でも行いやすいでしょう。


まずは膝をラフに立てた三角座りの状態から、両腕を真っすぐ前に伸ばし、坐骨で床を押すように骨盤を立て、おへそを引き上げます。

このときも頭頂が天井から引っ張られるような方向性を意識し、尾骨から頭頂を真っすぐ繋いでいくイメージで背骨全体を自然に引き伸ばします。


息を吐きながら、その長い背骨を保ちつつゆっくり後ろに倒れ、膝下を床から平行に持ち上げてみましょう。

下腹部は縦に引き伸ばしながら、腹筋を引き締めていきます。
舟のポーズ 初心者向けヨガポーズ

このとき背骨が緩んで丸くなってしまわないように、お腹、胸、頭の順に下から上に引き上げるように、長い上半身を保持するよう心がけること。


意識に余裕が在れば足指を大きく開いて膝下全体を引き締めましょう。


ナヴァサナは腹筋に加え背筋も使う必要があるので、実は見た目よりもハードなポーズです。集中すること、そしてきつい時こそなるべく柔らかい表情を保ち、少し笑みを浮かべるくらいの楽しい気持ちで挑んでみてくださいね♪

精神的にも良い気分転換やリフレッシュになりますよ★

◆船のポーズのポイント◆

  • 下腹部を引き上げ腰を伸ばして行う。
  • 胸は引き上げ、肩甲骨は下げる意識を持って。

 

ーーまとめーー

ヨガのアーサナは本当にたくさんの種類がありますが、やはり最初は簡単なものから基本をしっかり押さえて、余裕を持って呼吸できるアーサナからはじめてみましょう★
前屈、後屈、側屈、捻りなど、色々な箇所にアプローチするアーサナをバランスよく取り入れる事で各アーサナの効果がより高まるのも、ヨガの面白さのひとつだと思います!
毎日少しずつでも続ける事で、身体は確実に変わります。

自分の日々の変化を丁寧に感じ取って、もっと自分自身のことを良く知るきっかけになると良いですよね。

プロフィール

Guest Blogger:よがくらげ 雅子
ヨガインストラクター 、三児の母

長年ヨガを続ける母の影響で学生時代に軽い気持ちでヨガを始める。
身体のために細々と続けていたが、続けるごとに精神的にもヨガの大きな効果を感じ、より深くヨガを学び伝えるべくインストラクターとしての活動を開始。

スタジオやフィットネスクラブ、サークルなどで幅広いクラスを担当。
ブログ:YOGAKURAGE 力を抜いて 流れに乗って

 



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